産業医とは
健康人を診ること
クリニックでは患者さんが相手であり、産業現場では健康人が相手です。患者さんと健康人の違いは、当たり前ですが、前者は健康の回復を目的としていますので医師の指示に従順ですが、健康人はそもそも健康回復を医師に期待していません。
産業現場ではクリニックの医師ではなく、「産業医」が求められています。
エキスパートとしての期待
産業医は産業衛生における医学的エキスパートとして期待されています。
1. 法律(行政)の求め
産業医の選任義務は法律(労働安全衛生法)に定められています。
2. 事業者側の求め
3. 労働者側の求め
労働と健康の調和
産業医の最終的な目的は、「労働と健康を調和させる」という産業保健活動の目的を達成させることにあります。そして労働影響の分析とそれへの対策としての実際的な提案を行っていくために、その現場に出向いて職務の内容を把握しておく必要が出てきます。
職場に出向かないと不快な労働環境は理解できませんし、労働者たちの気付かないリスクの指摘もできないことになります。
労働衛生の基本は、健康に障害を与える可能性のある有害性を指摘し、職場に理解させ、その接触を回避させることから始まります。不可避的に接触があっても労働者に健康障害の発症レベルにまで至らせないための保護と管理が必要です。
また仮に発症段階となった際も障害の発生や固定化、程度の悪化に発展させていかないための予防管理が必要です。
労働衛生の三管理
1. 作業環境管理
(粉塵、特化物、有機溶剤、鉛、酸欠、暑熱寒冷、騒音、有害光線、振動、等に関しておもに労働衛生工学的な暴露回避施策をする)
2. 作業管理
(作業強度、作業速度、作業姿勢、作業時間、手工具の配置、保護具の装着確認、等に関しておもに労働衛生学的な管理をする)
3. 健康管理
(健康診断、事後措置、保健指導、疾病管理、等に関しておもに産業医学的な管理をする)
この三管理が労働衛生の基本の視点です。
産業医は、これらの知識や技能を統合し実際の産業現場に応用できるように努める必要があると考えています。
※日本医師会の認定産業医制度における研修会が実施されています。
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